チュウBメルマガ VOL.268
◆◇◆第1回京都コングレス公開シンポジウム◆◇◆
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第1回京都コングレス(*1)公開シンポジウム(主催;法務省,後援:外務省,特定非営利活動法人日本BBS連盟など)が9月8日(日)、国立京都国際会館にて行われ、約500名の参加があり、その内BBS会員は約20名の参加でした。
シンポジウムのテーマ:京都コングレス・ユースフォーラムを語ろう 安全・安心な社会の実現へ~SDGs(*2)の達成に向けた私たちの取組~
(*1)京都コングレスとは-
2020年4月に国立京都国際会館で開催される
『第14回国連犯罪防止刑事司法会議』を言います。
http://www.moj.go.jp/kokusai/kokusai02_00028.html
(法務省ホームページより)
こやまん参加したので、基調講演について報告します。
すべては書けないので、印象強かったことについて書きます。
後半パネルディスカッションについては、登壇した
兵庫県・東灘区BBS会 田栗江里奈さん(新社会人)に報告と感想をお願いしました!
▼基調講演①
「京都コングレス・ユースフォーラムの意義」
上川陽子 衆議院議員・元法務大臣・「京都コングレス2020を成功させる議員連盟」会長
前回、第13回国連犯罪防止刑事司法会議(ドーハコングレス)で初めて「ユースフォーラム」が開催され、今回の日本ではさらに発展した形で実施できるよう取り組んでいます。
異なる文化を背景に、未来を担うユースが議論学び合う場はとても有益であると思います。身の回りで感じてきたことや実践してきたことを発言して頂きたいと思います。
上川さんが、ユースの活動から特に感動された3つを紹介されました。
1.中学校での模擬裁判
中学生が裁判官,検事,弁護士、それぞれの役にわかれ議論。
中学生自身が考え、フォローとしてプロの検事も参加。
プロもいることで「生きた授業」となっており、まさに法遵守の文化が醸成されることを感じました。
2.元暴走族リーダーとの出会い
元リーダーは、ぐ犯少年等の立ち直りをサポートするNPOで活動。
過去同じ境遇にあり、少年のことが理解でき、そして自分の事として支援することが、少年の心に響いているのが伝わってきました。
3.BBS運動
(私たちの活動なので詳細は省きます。)
戦後、若者の力によりここ京都ではじまった。
メンバー自身が考えたフィールドワークを責任を持ち実施。
非行少年などの社会問題に向き合い、少年たちに大きな影響を与えていると思います。犯罪防止の観点からも極めて意義深い活動と思います。
戦後と現在と時代背景は変わっても、変わらないこと(少年を想い支援)実施している。
若い力を国内外に向け、力強く発信して頂きたいです。
▼基調講演②
「ゴルゴ松本『命の授業』~『誰一人取り残さない』社会の実現に向けて今、出来る事!伝えたい事!~」
機会を捉えて聴きに行ってみてください。ぼくには文章にできませんでした>_<
◆ここから、兵庫県・東灘区BBS会 田栗江里奈さんレポートです。
私はユース代表として登壇させていただいた、パネルディスカッションのご報告をさせていただきます。
パネルディスカッションの流れは、まず京都コングレス・ユースフォーラムの3つの個別テーマについてパネリストの意見発表や紹介があり、その後ユース代表が意見や質問を述べ、最後各テーマごとに、同志社大学の川崎教授からまとめの意見をいただきました。
ユースのみなさんにユースフォーラムを体感してもらうことが目的の1つでした。
▼パネルディスカッション
「京都コングレス・ユースフォーラムの3つの個別テーマを概観して」
○パネリスト
・大谷美紀子さん 弁護士・国連児童の権利委員会委員
・川崎友巳さん 同志社大学法学部教授
・野坂佳生さん 弁護士・日本弁護士連合会市民のための法教育委員会委員長
・野畑毅さん 京都府立菟道高等学校教諭
・マキロイ七重さん UNODC(*3)犯罪防止刑事司法オフィサー
・横地環さん 京都保護観察所長
○ユース
・田栗江里奈
・京都大学法学部学生(女性)
■テーマ1:青少年の犯罪予防・罪を犯した青少年の社会復帰における若者の役割
京都保護観察所長の横地環さんからBBS活動の紹介(歴史・活動・意義)がありました。また、デシスタンス研究(*4)(どのように非行から立ち直るのか)についての
概要説明がありました。
UNODCのマキロイさんからは海外、国連での再犯防止の取組みについての紹介があり、UNODCではスポーツを通した青少年の社会復帰の取組みがあり、これにより少年たちの
居場所確保と能力強化が促されると紹介。
同志社大学の川崎さんによるテーマ1のまとめは-
ユース世代が防犯のキーパーソンであり、活動を紹介することに意義がある。若者らしい柔軟な発想で意見してほしい。
ユースフォーラムは会議であるため、活動の中での成功例だけでなく、うまく行っていないことや困っている事を発言し、海外のユースに意見や解決策を求めてみては
どうだろうか。
最後に、排除社会をなくしていくために若者に何ができるのかを考えてほしい。
■テーマ2:法遵守の文化を醸成するための若者の教育
京都府立菟道高校教諭の野畑さんから、法教育の授業についての紹介があり、法教育の特徴、法遵守の文化の醸成、法教育の難しさの3点に基づきお話がありました。
法教育は法の背景にある様々な価値観を理解することであり、それにより考えの違う他者と対話する中で、自分たちに無い答えを見つけ出すという意義があるということ。しかしながら、法教育とは答えがないものであり、教える側も難しさを感じると話されていました。
弁護士の野坂さんからは、法律家の視点から、どのように法遵守の文化を醸成に努めていくかについて発言がありました。また、法教育は法の根底にある「幸福、正義、公正」を理解させるために有益な取組みであること、法教育においては答えを出すことではなく、考えることが重要であると話されていました。
同志社大学の川崎さんによるテーマ2のまとめは-
法教育を通して法の価値観を理解できるということ。
ユースが教育を受ける側ではなく、教育をする側にまわることで、より法遵守の文化醸成に有益なのではないかということを話されていました。
■テーマ3:安全なネット社会に向けた若者の責任
弁護士の大谷さんからはネットにより若者が犯罪の被害者になるリスクについてのお話があり、スマホ犯罪から身を守る方法として若者ができることは、自分たちでルールを作ることが大切と話されていました(大学生が中高生にネットのルールを教えるなど)。
UNODCのマキロイさんからはネット社会はバーチャルであり、現実味がないからこそ簡単に権利侵害ができることから、ネットにより若者が加害者となるリスク
について話されました。また海外での取組みとして、「Hackathon (若者を集め制限時間内にゲームやアプリをつくる)」を通した再犯防止・非行防止の取組みを紹介されました。
同志社大学の川崎さんによるテーマ3のまとめは-
ネット社会を無くせばネット犯罪は無くなるがそんなことはできない。だから絶対無理な前提で進めるべきであり、その中での若者の柔軟な発想が聞きたい。
ネットが犯罪の原因になるだけでなく、ネットが犯罪防止になっているという可能性も考えられるので、そんなふうにデメリットだけでなく、メリットも見出して欲しいとご意見いただきました。
★感想★
私の感想は、シンポジウム自体は非常に中身の濃いものでしたが、当日聴衆として参加していた学生(大学生,高校生)は80名以上で、質疑応答の時間においても積極的に挙手をする多数の学生からユースフォーラムにかける熱を感じました。
また上川陽子元法務大臣はじめ、様々な方からのユースへの期待度は大きく、「若者の柔軟な発想に基づいた現実的かつ積極的な議論」が求められていました。
またディスカッションで、BBS活動について触れられ、私からは「BBS活動が相補的で意義のある活動である。」「活動を広く認知していただきたい。」ということを述べました。
(*2)SDGsとは?
(特定非営利活動法人日本BBS連盟ホームページより)
(*3)UNODC: United Nations Office on Drugs and Crime
(国連薬物犯罪事務所)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/mayaku/unodc.html
(外務省ホームページより)
(*4)青少年の立ち直り(デシスタンス)に関する研究
http://www.moj.go.jp/housouken/housouken03_00096.html
(法務省ホームページより)
---------------【配信日:2019.09.14】
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