チュウBメルマガ VOL.262
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◆◇◆日本更生保護学会・BBSセッション◆◇◆
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12月2日(日)、日本更生保護学会第7回大会2日目、立教大学池袋キャンパスにて、5つのセッションと自由報告が行われ、1つのセッションがBBSの担当でした。
- BBS運動の新たな活動-BBS運動発足70周年キーコンセプト
「過去から未来へ つづける・つなげる・つぎの手に」を考える
報告者は-
中国地方BBS連盟からは留学生の Jo Hyejin さん(島根県・松江地区BBS会)
その他
・森川武嗣さん(法務省保護局 更生保護振興課 法務専門官)
・尾亦恭輔くん(東京都・早稲田大学広域BBS会)
・田中心さん(京都府・左京地区BBS会)
・大須賀史紀くん(東京都・日本社会事業大学BBS会)
司会は、高垣晴夫さん(日本BBS連盟理事・近畿地方BBS連盟会長)でした。
会場には20名程度の参加がありました。
中国地方BBS連盟 こやまんのレポートです。
(いつも長文でごめんなさい。)
◆森川武嗣 法務専門官(法務省保護局 更生保護振興課)
○再犯の防止等の推進に関する法律(平成28年12月14日公布・施行)(1)と再犯防止推進計画(2)
法律ができた背景として、刑法犯の検挙人員は減少する中、再犯者率は年々増加していることが挙げられる。(再犯者率48.7%・平成29年版犯罪白書より)
再犯防止推進計画の「Ⅱ 今後取り組んでいく施策/第4 学校等と連携した修学支援の実施等のための取組/1.学校等と連携した修学支援の実施等」にBBSが触れられている。
○BBS運動が日本で始まり2017年で70年が経ち、BBS運動発足70周年記念式典を「過去から未来へ つづける・つなげる・つぎの手に」というキーコンセプトで実施。皇太子同妃両殿下のご臨席を仰ぎ、皇太子殿下よりおことばを賜った。(*3)
○BBSはポスト70年として新たな取り組みを実施している。
・外国人BBS会員活動促進プロジェクト
・BBSコンセプト・スタディ(地方BBS連盟単位で新しい活動を企画・実施)
・BBS,北海道沼田町,沼田町就業支援センター3者連携プロジェクト
◆Jo Hyejin(ゾ ヘジン)さん(松江地区BBS会・島根大学)
『松江地区BBS会の活動報告と外国人BBS会員として思うこと』
松江地区BBS会は、島根大学の学生約20名。
○家族de日曜日inカラコロ工房
カラコロ工房(旧日本銀行松江支店・観光施設)が行う月1回のイベントで、子どもたちとバルーンアート作りを通して一緒に遊ぶ。
○こっころサンデーinこそけん
いっしょに子育て研究所(こそけん)のイベントに協力し、子どもたちと一緒に遊んだり工作をしたりする。
○寺子屋活動
更生保護施設にて、年2回地域の子どもたちを対象にレクリエーションを実施すると同時に、子どもたちの親御さんに更生保護施設についての理解促進も目的としている。
主催は松江地区BBS会。
○松江市青少年支援センターからの依頼で、非行少年や困難を抱える子どもたちなどへ学習支援を行っている。学習支援がメインとなるが、本活動では非行,ニート,ひきこもり,不登校,障害などの様々な困難を抱える子どもの相談や支援という面にも重きを置いているため、学習支援のみに固執することは望ましくないと私は考えています。
○外国人BBS会員として思うこと
松江地区BBS会で外国人会員は私1人ひとりです。留学生の大半は国際交流のボランティアに参加していて、外国人がいない組織に入ることはなかなか難しいです。他のメンバーに自分の存在が迷惑をかけてしまうのではないかと思ったこともありました。
留学生向けにBBSをPRしてもいいと思います。
◆尾亦恭輔くん(早稲田大学広域BBS会・東京大学)
『「BBS,北海道沼田町,沼田町就業支援センター3者連携プロジェクト」参加報告』
○沼田町就業支援センター(*3)は、保護観察を受けている青少年に農業実習等の訓練をし、自立・更生を促進する宿泊施設を備えた国の施設。
○センターに入所している少年たちとBBS会員が一緒に、農業実習と交流、また沼田町の取り組みについて学び、同町のボランティアの方々と交流を実施。
入所している少年から、「当たり前にように俺らと一緒にやってるけど、俺たちのことどう思ってるの?」と言われ、一緒に作業したり遊んだり、他の人と時間や空間を共有することは、彼らにとって当たり前でないと感じ、私たちができることは少年たちにいい影響を与えるというより、気負わず少年たちと日常的なことを共有することだと感じました。
◆田中心さん(左京地区BBS会・京都大学)
『少年院での学習支援活動報告』
○大阪府阪南市にある和泉学園で、月1~2回学習支援を会員2~3名で実施。(京都から片道2時間程度かかる所)
主に、中学英語,数学を教えている。
○少年院での活動の目的
1. 学力向上
2. コミュニケーション能力の向上
3. 不安感の緩和
○活動で気をつけていること
・個人情報(外部に情報は漏らさない。会員の情報も院生に伝えない。)
・服装(肌の露出を少なく。髪は染めない。長い髪はくくる。)
・学習補助(相手を否定しない。主体性を尊重する。)
○院生ファイル(BBSから少年院への提案で実施)
・BBSが作成する、数学の教科補助プリント
・内容は小学校高学年~中1くらい
→中学の教科書に載っていない内容を復習できる。解きやすい内容にしているので、たくさん解いてもらえる。
活動を実施するために、メンバー内のミーティング、少年院との連絡調整を丁寧に行っています。
◆大須賀史紀くん(日本社会事業大学BBS会)
『日本社会事業大学BBS会の活動報告』
学生約50名で構成。顧問は社会福祉学部特任教授の山田憲児先生。
○カレーの会
年2回、保護観察中の少年たちと一緒に、カレーを作る中で彼らが社会や人との関わりを学んでもらえるような場を作る活動。
○子ども食堂(新たな活動)
月2回、相対的貧困の子どもを対象に実施(17~19時)。子どもの居場所作りが目的。
【子ども食堂から見えてきたこと】
・ひとり親家庭が多い
・兄弟姉妹が多い
・ひとりで家にいる時間が多い
・情緒不安定な子どもが多い
・気性の荒い子どもが多い
・小さい子どもなのにしっかりとしている
BBSが子どもたちの送迎を行っています。この送迎の時間に子どもたちとのコミュニケーションがしっかり取れ、また子どもの家の環境を知ることができ、様々なことを学んでいます。
他のセッションの項目
1 刑の一部の執行猶予制度の現状と課題
2 再犯防止推進計画の実現に向けた保護司・保護司組織の役割
3 更生保護施設における地域協力者の活用
4 医療観察におけるアセスメントの現状と課題
(*1)「再犯の防止等の推進に関する法律」について
http://www.moj.go.jp/hisho/seisakuhyouka/hisho04_00049.html
(法務省ホームページより)
(*2)「再犯防止推進計画」について
http://www.moj.go.jp/content/001242753.pdf
(法務省ホームページより)
(*3)BBS運動発足70周年記念式典における皇太子殿下のおことば
http://www.kunaicho.go.jp/page/okotoba/detail/15#95
(宮内庁ホームページより)
(*4)沼田町就業支援センター
http://www.moj.go.jp/hogo1/soumu/hogo_hogo19.html#06
(法務省ホームページより)
------【配信日:2019.02.06】
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