チュウBメルマガ VOL.223-2

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◆◇◆日本更生保護学会第4回大会(その2)◆◇◆

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日本更生保護学会第4回大会2日目

 

大会企画セッション(分科会)及び、自由報告が行われました。

ここではBBSのセッションのみ書きます。

 

その1でも記しましたが、大会の正式な報告は、日本更生保護学会機関誌『更生保護学研究』で発表されますので、このメルマガはこやまんの感想とします。

 

 

BBS分科会には約30名の方が参加されました。

 

『ともだち活動の現状と課題について -BBS運動を最も特徴づける活動を考える』

 

【報告者】

・間野百子さん(小田原短期大学教授)

・小林淳雄さん(法務省横浜保護観察所 首席保護観察官)

・田中昌弘さん(神奈川県川崎市中原区 保護司)

・目黒潤一くん(神奈川県BBS連盟会長,慶應義塾大学2年)

・風見恵利佳さん(東京都・八王子BBS会,創価大学3年)

司会:西本敬太さん(日本BBS連盟理事)

 

 

●まず、「ともだち活動」って?

 

ともだち活動は、BBS運動を特徴づける活動の一つです。

保護観察を受けている少年少女をはじめ、様々な悩みを抱えている子どもたちと、同じ世代のちょっと年上の「ともだち」としてふれ合うことを通して自立を支援する活動です。この「ともだち活動」は保護観察所のほか家庭裁判所や児童相談所などの様々な機関から依頼を受け、その指導のもとに行われます。

(日本BBS連盟ホームページより)

http://bbs-japan.org/about

 

 

◆目黒潤一くん(BBS会員)

-「ともだち活動」の事例発表-

「価値判断」-自分の行動は、少年にとって良いことだったのだろうか?

 

保護観察所からの依頼で、保護観察中の少年と「ともだち活動」を行った。

 

少年は定時制高校に通学。アルバイトのし過ぎで勉強が追いつかず、学習支援をしながら少年の愚痴を聴いていた。聴き役に徹していた。

ある時少年から、「アルバイト先から昇進の話があり、学校を辞めたい。」と話してきた。目黒くんは少年の気持ちを受け入れ、保護司にそのことを伝えた。保護観察官には言えなかった。少年の意見を受け入れたことが、良かったのか、悪かったのか、今でもわからない。

 

「ともだち活動」は終了したが、その少年とは今もつながっている。

 

 

◆風見恵利佳さん(BBS会員)

-「ともだち活動」の事例発表-

 

中学校からの依頼で、不登校の女子中学生3年生と「ともだち活動」。

(現在継続中)

 

先輩会員からの引き継ぎの活動で、彼女との関係について心配だったが、会う回数を重ねるうち、彼女から学校や家庭のことを話してくれるようになった。しかし、彼女の心にどこまで立ち入っていい

のか試行錯誤。

その後、彼女が週1回学校へ通うようになり、学校の友だちから修学旅行に誘われ、行くことを決め、外出を増やすようになった。

高校へは行かず、就職を考えていたが、妹が高校へ行くと言ったことで気持ちが変わり、受験に向け、作文を頑張っている。

不登校ではあったが、学校の友だちや先生との関係は良好。

 

風見さんが気をつけていることの一つとして、コミュニケーションの取り方を、“学校の先生とは違う”ということを意識している。

 

 

◆田中昌弘さん(保護司)

-保護司として初めて担当した保護観察中の少年について-

 

少年は、高校1年生。窃盗罪で保護観察処分に。

 

少年の背景:幼少期、両親とも刑務所に。児童養護施設で育つ。母親が刑務所出所後少年を引き取る。母親は少年に対し外出を許さず、ひきこもりに。その後、祖父が引き取り、アルバイトを始め外出するようになった。

 

田中さんは、担当した少年をなんとかしたいと思い、区役所へ相談。

定時制高校入学の提案があり、受験に向けてBBSに「ともだち活動」を依頼。勉強対策と面接対策に、2名のBBS会員が少年をサポート。

受験後少年から、勉強はよくなかったが面接はよかったと。試験は合格し、少年はもちろん、田中さんもBBS会員もとても喜んだ。

その後、保護観察は良好解除。

 

 

◆小林淳雄さん(保護観察官)

-「ともだち活動」の依頼元である保護観察所(官)の立場から、保護観察中の少年をBBSに依頼するにあたって-

 

・少年と関わる上で、少年世代の流行を知ることが大事

・保護司が行う少年への支援(指導等)と、BBS会員が行うことが同じではいけない

・非行少年の友人しかいない保護観察中の少年に、BBS会員(一般青年)が入ることで、新しい交流や価値観が少年に生まれる

・地区担当の保護観察官とBBS会員が、顔のわかる関係になってほしい。BBS会員にはぜひ保護観察所にコンタクトを取ってほしい。(「ともだち活動」を依頼しやすくなる)

 

 

【他の大会企画セッション項目】

○保護司活動の支援 -更生保護サポートセンターの現状、課題、新たな展開-

○少年・若年者に対する少年法制の比較法的検討 -更生保護の視点から-

○薬物事犯対象者の処遇 -帰住先の確保とそこにおける指導・支援を中心に-

○医療観察 -精神障害者等社会復帰促進モデル活動推進事業-

○自由報告(7つ)

 

 

※小田原短期大学教授 間野百子さんからの発表は、その3で。

section1

 

--------【配信日:2016.01.17

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配信元:中国地方BBS連盟事務局

(事務局:法務省中国地方更生保護委員会内)