チュウBメルマガ VOL.179-3
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◆◇◆日本更生保護学会第2回大会(その3)◆◇◆
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BBSシンポジウムのシンポジスト、高坂朝人さん(愛知県・
尾張旭BBS会事務局長,NPO法人セカンドチャンス!副理事長 )
の感想です。
僕の率直な感想をざっくばらんに書かせていただきたいと思います 。

BBS分科会は、最高にいい時間でした。
BBSのことが、今までより最高に好きになりました。
その理由は何だろうか?と自分に問うと、3つが頭の中に挙がった 。

1.BBSのことを本気で愛しておられる方々が、それぞれ魂を
込めて作られたプレゼンの内容を聞かせてもらいながら、共に
発表させてもらえたこと。

2.日本更生保護学会に参加されていた、様々な立場の方々と
お話しさせてもらう中で、日本の更生保護の中でBBSという
役割は、とてもユニークで未知なる可能性を持っていると確信
できたこと。

3.BBSを軸に置き、自分と、セカンドチャンス!
(少年院出院者の自助グループ)をミックスさせたプレゼン資料を
作成、発表できる機会をいただけたこと。

2と3について、少し深めていきたいと思いますので、
良ければ、もう少しお付き合いいただけたら幸いです。
2.について、360度見渡しても、年輩でいかにも専門家
(実務家、研究者)と呼ばれるような方ばかりに僕は見えました。
学会で発表されている内容は、お叱りを受けるかもしれませんが、
専門書に書いてあるようなことばかりでした。その中で、BBS
分科会は圧倒的に違って見えた。お堅い雰囲気の中に、BBSが
分科会に仲間入りさせてもらえることで、自由でユニークな空気
を入れることができたと勝手に自負していました。よく考えると、
学会のみならず、更生保護の世界に、BBSが仲間入りしている
こと自体、可能性と裾野を広げているんではないか?
面白くなるんではないか?余計にBBSが好きになった自分が
いました。

3.についてですが、今まで、自分史や、セカンドチャンス!
についての、プレゼン内容を考え、発表させてもらう機会はあり
ましたが、BBSを軸に置いたプレゼンを考えること自体、初めて
だったので、自分がBBSを知った時のことから、丁寧に振り返る
作業を行いました。
そして、「自分の中でのBBSの意義」と、「社会における
BBSの意義」を、特に考えました。

ご存知の方もおられるかもしれませんが、僕はかつて、BBS
が対象としている非行少年でした。恥ずべきことではありますが、
保護観察、少年鑑別所、少年院、拘置所、刺青、暴走族などなど、
経験しております。

BBSを始めたきっかけは、生き直しを決意して、自分の生活
も落ち着いてきた頃に、自分の過去の経験が、かつての自分の
ような非行少年たちに少しでも生かさせてもらえることがある
なら、生かしたい。ということでした。

それから、BBS会に入会し、色々なBBS会員、色々な元気な
少年・少女、色々な関係機関の人たちと、BBS活動を通して、
ふれ合っていく中で、自分の中で確実に変わっていくものが
ありました。

その中でも特に大きかったことは、それまで、「大人全員を
敵だ」と見なし、不良経験のない人は違う世界の住人だ、と
根底部分で思っていたのですが、薄れていきました。

そして、気づくと、非行少年たちを心から愛している人たちに
囲まれて活動している自分に気づき、過去に自分に関わってきて
くれていた、親、保護司、家庭裁判所調査官、法務教官、警察、
雇用主、弁護士さんたちに、心の奥底から感謝の気持ちが湧いて
きて、みんな自分の味方だったんだ!と思うようになりました。
自己的な解釈ですが、自分の中でのBBSの意義です。
もう一つ考えた重要なポイントである、社会におけるBBSの意義
について-

BBSは、諸先輩方のおかげで、伝統と信頼があります。それに
より、BBSの名前で、少年院に突然電話しても院内で活動させて
もらえたり、総会に市長が出席してくださったりと、驚くようなこ と
が可能になっています。

BBSが頂戴している最も大きな恩恵は、保護観察所や保護司さん が
連携してくださり、保護観察中の少年たちと、ともだち活動や、
社会貢献活動などをさせてもらえることだと思っています。

僕は、BBS会員であるおかげで、非行少年と出会えることを、
宝箱を開ける瞬間のように感じていますし、付き合いがスタートす ると、
彼・彼女らと、ともだちの立場でいられることで、自分の人生に、
わくわく感や、生きる意味の深みが足され、嬉しい(時には、少年 が
問題を起こし、悲しいこともありますが)と素直に感じます。

社会は、人と人(勿論、動植物、環境なども含まれますが)ですよ ね。

産まれてから死ぬまで、人と関わらず、生きることは不可能ですよ ね。

犯罪って、被害者、被害者の関係者、隣人、家族、自分、誰にとっ て
も、悲惨で悲しみしかない。

犯罪は、一つでも減ってほしい、そして笑顔が一つでも増えてほし い。

再犯にはキーマンがいると思う。

家族、恋人、ともだち。

他人は、家族、恋人にはなかなかなれない。

社会の中で、再犯防止に携わる人は、大勢存在すると思いますが、
犯罪をした人と、家族、恋人、ともだちになれる人なんて皆無と言 って
いいと思う。

でも、『BBSは、犯罪をした少年と、ともだちになることができ る。』
これが、社会におけるBBSの意義です。
(学会報告は以上です)
----------------------【配信日:201 4.02.19】
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