チュウBメルマガ VOL.143-1
◆◇◆「青少年育成カレッジ」平成24年度第2回総合講座
~少年非行について考える~◆◇◆

12月1日(土)、広島市南区の県立広島大学広島キャンパスにて
行われました。(主催:公益社団法人青少年育成広島県民会議)
BBSからは(東広島地区,広島地区,福山地区)5名参加
しました。参加者は約90名で、60~70代がほとんどで、
若者が少なかったことにビックリしました。

『発達障がいと少年非行』~発達障がいと二次障がい~
講師:県立広島大学 保健福祉学部 作業療法学科 助教 永吉美香先生
(元少年鑑別所 法務教官)

○まず、「作業療法」とは?(作業=行うこと)
「その人らしい作業」を可能にする。作業ができる様にする。
⇒健康にイキイキと暮らせる!

「人」を変えるというよりも『環境』と『作業』を変えることで、
生きやすくなるのでは-

●発達障害(発達障害者支援法第二条第一項)
・自閉症、アスペルガー症候群、その他の広汎性発達障害(ASD )
・学習障害(LD)
・注意欠陥多動性障害(AD/HD)
・その他これに類する「脳機能の障害」であって、その症状が通常 低年齢
において発現するものとして政令で定めるもの

※基本的には、育て方や躾によるものではない!

○自閉症、アスペルガー症候群、その他の広汎性発達障がい
(2013年からアメリカの診断基準では、ASD:Autist ic Spectrum
Disorder(自閉症スペクトラム障がい)と呼ばれる)
・一方的に話す
・き真面目過ぎる
・予定が急に変わると混乱する
・負けることが許せない
・人が怒っていることに気付けない、等

○学習障がい(LD:Learning Disorders)
・全般的な知的発達に遅れはない
・聞く、話す、読む、書く、計算する、推論する能力のうち、
特定のものの習得と使用に困難

○注意欠陥多動性障がい(AD/HD:Attention Deficit /
Hyperactivity Disorder)
・気が散りやすい
・忘れ物が多い
・授業中立ち歩く
・姿勢が保てない
・思いつきで行動する
・順番を待てない、等

●発達障がいのとらえ
・スペクトラム(連続線上)の概念
どこから正常で、どこから障がいかはハッキリ言えない

発達障がいとは-
脳の働きが個性的で、感じ方や行動が多数の人とは異なっているこ とで、
周りの要求と合わず、本人が生活しづらく困っている状態。

※「発達障がい」で定義されるような性質は、、誰にでもあり得る 性質
であり、程度差であると言えるが、環境との兼ね合い等により、そ の
要素の一部が顕著に現われたり、うまく生活できない障壁になった りする。

●支援の考え-「できた!」を支援する
○できるための「環境」をつくる
・追い詰めない大人(叱ったり、せかしたりばかりしない)
・混乱させない理解ある関わり(必要なとき助けてくれ、信頼でき る他者
となる)
・支援のためのネットワーク作り

○できるための「作業」の調整をする
・できること、やりたいことから始め、小さな達成感を積み重ねる
・特性に応じた、良いところに着目した作業を見つけ、それに打ち 込める
ようにする

○できるために「人」を育てる
・認知を育てる(認知行動療法や、支援のもとでの試行錯誤による
学習など)
・体を育てる(精神的な安定、自信の獲得、対人関係の土台づくり
となる)

生きにくい環境・作業
・いい子、悪い子と決めつけられてしまいがち
いくつかの特性について、「こんなふうに関わるとよい」というコ ツ
はあるが、どの子にも当てはまるというわけではないので、あえて
今回は提示しない。
⇒「必ずこうすればよい」という方法はない

※何度も言うが、根性や躾の問題ではない!
※彼らの特性は、改めさせる対象ではなく、理解し支援する対象。
理解し支援する事で、問題となる行動は軽減に向かう

<二次障がいについては、次に>

(永吉先生にチェックしていただき、配信しています)
------------------------【配信日:2 012.12.04】
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